木下直一様

2017年9月勉強会にて「広告写真~SNSクリエイティブの運営まで!写真撮影+動画撮影勉強会」と題して株式会社アント 代表取締役 木下直一様にご講演頂きました。
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株式会社アント 代表取締役 木下 直一様
―今や集客方法として無視できないインスタグラムですが、インスタ映えを意識しながらお店の世界観を表現するために大切にする事はどんな事でしょうか?
木下 直一氏:
自社の世界観をそのままインスタに投稿すればいいわけですが、ご質問にもあります通り、世界観を表現することは重要です。
さらに、その世界観がインスタのユーザー層に合致していなければ大きな効果は期待できません。
webプロモーションの世界ではインスタに1日3投稿しなければ効果がないという企業もあります。
また、自店の世界観を表現するためにはトーン&マナーが確立できている必要もあります。
トーン&マナー自体聞いたことが無い方もおられるでしょうがUI・UXに結び付ついた非常に重要な要素の一つです。
他店と差別化を図るためのサイトの目的に合致した世界観やその属性や温度感や肌触り感の表現が必要です。
そのデザインの方向性とルールを統一したうえで、店舗とユーザー間とが共通認識で結ばれる必要があります。
先ずはSNSの活用を考える前に、自店のトーン&マナー(世界観)を再考されてはいかがでしょうか?

また、自店の取り扱い商品にもよりますが「インスタ映え=かわいい写真」と勘違いされている企業が多いです。
セッション数を増やし、売り上げを増やすことがインスタに限らずSNSを運営する目的なのですが、いいね数やシェア数を増やすことを目的にしてしてしまい、限られた時間のリソースを無駄使いしてしまいがちです。
自店の世界観をきちんと表現し、ユーザーがその世界観に共通認識や共通目的をもってくれるよう設計し、ABテストを繰り返すことをお勧めします。
世の中のインスタユーザー層がいう「インスタ映え」に傾倒できる商品を扱っているのかも考えてみてください。
―商品撮影においてもし自然光を活用する場合、撮影時の注意点やまた自然光での撮影に向いている商材(素材など)がありましたら教えてください。
木下 直一氏:
自然光を活用しての撮影では大きく分けて、「室内」か「屋外」の2つがあります。

先ず「室内」ですが、蛍光灯などの室内照明をすべて消灯する必要があります。
理由としまして、光には色温度というものがあり照明器具から発色される色と自然光の色が同じではないことが挙げられます。
撮影用の蛍光灯やLEDのライトは大体5000K(ケルビン)前後という色温度に調整されていることが多いのですが、5000K(ケルビン)は自然光に例えると昼間の太陽の色温度に近い数値です。

極端な例ですが、夕方に窓から自然光、部屋で蛍光灯を点けたまま撮影をしますと、片方は赤い光、もう片方は青い光の中で撮影をしているようなもので商品の色がバラバラに発色することになります。
なので、自然光で撮影する場合は他の照明を消して太陽の光だけで撮影する必要がでてきます。

また、そうなりますとどうしても光量が弱くなり露出が下がりますから、ISOの感度を上げて適正露出に調整するなど、マニュアル操作のスキルも身につけられてはと思います。

次に「屋外」ですが、ほぼアパレル系の撮影をECの場合想定されますが、撮影に適したゴールデンタイムが存在します。
時間で表現しますと日の出日の入りの3時間以内です。
これは、太陽が傾斜していますから被写体に対して横から光があたり、テクスチャーなどの素材感が表現しやすいですし、写真に立体感が生まれます。
なので、日の出が5時であれば8時まで、日の入りが19時であれば17時からがゴールデンタイムです。
昼間の13時頃に撮影をすると真上近くから照明を下にたくのと同じことですから、シャドウが真下に汚く表現されてしまいます。
最後に「適した素材」ですが、特に素材で分けられませんが、しいて言えば、レフ版を使って被写体を撮影できるものの方が、シャドウを調整しやすいかと思います。
ただしPhotoshopの機能を使えばシャドウ部のみを明るく簡単に調整できますので、それほど気にする必要もないかもしれません。
―これから、自分で自社で撮影をしていきたい場合ネットショップに活用していく上で最低でも揃えておくべき機材や資材、また出来ることなら購入すべき道具などをご教授頂けますか。
木下 直一氏:
被写体によって様々なので一概に言えませんが商品撮影の場合
・三脚
・一眼レフカメラ
・レフ板
・蛍光灯照明 大×1個
・蛍光灯照明 小×1個
・ディフューザー(天トレ)
・マクロレンズ
・デコラ板(メラミン化粧ボード)
は必須です。
撮影スペース的には最低でも6畳くらいの広さを用意できると余裕がでます。

アパレルや大物の場合はもっと広い撮影場所が必要です。広角レンズでモデルは撮影できませんので、70~80mmのレンズを使った場合に商品が収まる程度のひきを考えて見てください。

また、カメラとPC(モニター)を接続した環境で撮影を行い、撮影した被写体のピントや構図、色の再現性などを細かくチェックできる環境を整えられればベストかと思います。
―木下先生が注目されている通販サイトやいいなと思えるサイトがありましたら教えて頂けますか?
木下 直一氏:
トーン&マナーの観点で写真が整理されている店舗として講義であげさせていただいている店舗をご紹介させていただきます。TOPから下層デザインやピクト、アイコンや写真まである程度の世界観が表現されていると思います。

remy
https://remy.jp/index.php

やさしいタオル
https://www.1101.com/store/towel/index.html
―写真撮影や動画撮影をプロに依頼する際、より良いものを作っていく為に伝えておくべきことにはどんな事がありますか?また心掛けておくべき事にはどんな事がありますか?
木下 直一氏:
口頭で伝えますと、どうしてもぶれてしまいます。
なので、雑誌の切り抜きや、WEB上におちている写真など、見て分かるものを提示すると良いかと思います。

なお、商品写真は1枚あれば良いのではなく、売れる1枚を用意することを心掛ける必要があります。
どのような写真が売れるのか分からないのであれば、ABテスト用に数種類用意することをお勧めします。もし、前述したことができないのであれば、何カットもイメージ違いを撮影してもらい、ABテストをしても良いかもしれません。

また、質問にあります「より良いもの=売れる写真」であるはずで、競合他店のくらべ自店の優れているポイントを写真にする必要もありますから、競合店の商品写真やイメージ写真もカメラマンに見せ、どのように差別化した写真を撮りたいのかを具体的に指示する必要があります。