桃源郷株式会社
武田 和也様

2015年6月定例会にて、「桃源郷の波乱万丈の歴史 そして多店舗展開へ」をご講演頂きました、桃源郷株式会社 代表取締役社長 武田 和也氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。定例会の詳細はこちら

桃源郷株式会社 代表取締役社長 武田 和也様
―なぜネット通販事業を始めようと思われたのですか?
武田氏:
創業者大橋が当時実家で扱っていたガーデニング系の商材の販路を広げるため、楽天市場に出店。
まだ三木谷社長自身が出店依頼の営業をしていた時代です。
―新規店舗オープン計画の際に気をつけている事はありますか?
武田氏:
今のタなにより担当者が「それが好きかどうか」です。
商材そのものや外部環境がいくら良くても、それを取り扱う担当者の熱意がなければ、魅力的なビジネスとして立ち上がってこないと思っています。

また、想定される客単価が3000円を下回るようなジャンルは、物流経費の比率が高くなりすぎるため、
粗利率にもよりますが、ちょっと進めにくいです。
―ご講演の中でもありました「モノ」から「コト」化への想いを教えてください。
武田氏:
ユーザが「モノ」を買う時の発想の順番は、
必ず「何かがしたい」から始まって、最後に「これを買おう」に行き着きます。
であればECにおいても、本当に優れた接客というのは、
「何が欲しいのですか?」という問いかけではなく、
「何がしたいのですか?」から始まるナビゲーションであるはずです。 当社では店そのものを「何がしたいか?」というコトカテゴリに置き直し、ユーザの「コトのニーズ」に応えようとしています。 また、EC市場も成熟期に入りつつあり、
ジャンル(=モノカテゴリ)ごとに強者が固定されてきました。
コトによる店舗の再カテゴライズは、
強者弱者を決めている既存の競争ルールを編み直す挑戦でもあるのです。
―いままでで「最大の失敗」と「それをどう乗り越えたか」を教えてください。
武田氏:
最大の危機は楽天市場のメルマガ有料化により、オークション販売の事業が崩壊したことでしょう。
これは事業を「楽天市場」という単一のモールの、「メールマガジン」という単一のプロモーション手法に相当程度依存していたことが失敗のキーでした。

急速に多ジャンル・多モール展開を推し進め、なんとか会社を維持することができました。

また、代表になった初年度は、初めて取り組む経営の仕事に翻弄され、各ショップの損益マネジメントがおろそかになりました。
当社ではショップのリーダーが多くの裁量権を持っていて、原則的に店をどのように運営するかはリーダーに任されています。
この時は各リーダーが売上を上げることに注力し過ぎてしまい、結果、利益が減ってしまいました。
オークションの売上が激減し会社存続の危機が続いていた中で、急激にキャッシュフローも悪化していきました。
下期には慌てて粗利率の改善・販促費の削減・在庫の削減などに乗り出し、なんとか最悪の事態は免れました。
―今回のご講演では様々な「想い」が込められていたと感じましたが、講演をお聴きになった会員様に「実践して欲しいこと」を教えてください。
武田氏:
ぜひ「コト化」へのチャレンジをしてほしいですね。
店自体のコトカテゴライズはハードルが高いと思いますが、
店の中の商品カテゴリを改修することは比較的容易かと思います。
既存のカテゴリにぜひ「○○をする」という
「コトカテゴリ」を追加してみてください。
―当イーコマース事業協会での講演を終えられて武田様から見た当会の印象や定例会、情報交換会の雰囲気など、ご感想を教えてください。
武田氏:
定例会の出席人数の多さに驚きました。
皆様の学びに対する意欲の高さに感心しております。
一方で情報交換会はやや消極的な印象を受けました。
前回の上原氏が講師の時も今回もですが、講師めがけて名刺交換に殺到するということがなく、もっと貪欲に人脈を作られたらいいのではないかと感じました。
―当イーコマース事業協会は「売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換を通じて、電子商取引を含む健全なる情報化を社会に普及させることを目的とする」団体でありますが、入会間もない会員様、現在入会を検討している事業者様にエールをいただけますでしょうか?
武田氏:
ものすごいスピードで変化をし続ける社会の中で、 事業を伸ばすには、常に学び続けることが必要と思います。 学びというのは「緊急度は低いけれど、重要度は高い」ことの筆頭。 緊急度の高い業務の連続の中で、 どうしても学びの機会はおろそかになりがちではないでしょうか。 しかしそれが続くと、事業の強さは必ず失われていきます。 イーコマース事業協会のような団体に所属することで、 自然と学びの機会が得られ、多くの情報も入ってくると思います。 また、学びの機会には必ず質問をすること。 そして人と会う機会では、聞き上手になることはもちろんですが、 自ら持っている情報を惜しげなく提供すること。 この2点を守って機会に接すれば、自己もぐんぐんと成長し、 人と情報が自然と集まるようになるはずです。
○講演タイトル
「桃源郷の波乱万丈の歴史 そして多店舗展開へ」

○講師プロフィール
桃源郷株式会社 代表取締役社長 武田 和也氏

1973年福島県生まれ。2005年アルバイトとして桃源郷社に入社。翌年、勝手に社員登録されており、2011年に取締役就任。
2013年代表取締役社長に就任。2015年6月現在、社長業3年目。
前職がカフェのマスター業だったことから、入社当初よりずっとあだ名は「ますたー」。
社長となった今でもほとんどの社員がますたーと呼ぶ。
趣味は料理とキャンプと釣り。最近の口癖は「休みがいくらあっても足りない」


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