横田 秀珠様

2016年5月定例会でご講演をいただきました、
イーンスパイア株式会社 代表取締役 横田 秀珠 氏にお話をお伺いしました。定例会の詳細はこちら

イーンスパイア株式会社 代表取締役 横田 秀珠 様
―「リピート対策」のご講演が多いということですが、「リピート対策」に特化したコンサルティングを始めたきっかけ(理由)は何ですか?
横田 秀珠氏:
リピートに特化したコンサルティングをしている訳ではなく、新規の顧客獲得やリアルの集客などあらゆるクライアントをサポートするコンサルティングを行っています。
今までは新規顧客を獲得するために、ネットやリアルで集客する方法をアドバイスしていました。
集客が順調になってくると、ネットであれリアルであれクライアントが次に悩むことはリピート対策でした。
リピート対策について色々な書籍やセミナーなどでノウハウを勉強しましたが、資本力があったりブランド力あったりする企業に有利な手法が多いことに気付きました。
一方で中小・零細企業にも関わらずリピート対策できている事例を分析していると、ある法則があることを発見しました。
発見した法則を使ったアドバイスを行ったところ効果があったため、これこそネット通販で頑張る中小・零細企業でも使えると思い、「リピート対策」に特化したコンサルティングを始めました。
―ネット通販だからこそ!という「リピート対策」のメリット・デメリットはありますか?
横田 秀珠氏:
そもそも日本の小売市場においてネットで買っている割合は1割しかないことです。
つまり残り9割はリアルの実店舗で購入しています。
もっと遡ればインターネットが登場する前はリアルの実店舗で10割をリピートしていたことになります。
つまり日常の買い物などで商品やサービスに出会う機会があれば、ついでにリピートしやすい環境にあります。
ただインターネットの登場で、リアルの実店舗で買ったお客様がリピートするためにネット通販で買う人が出てきました。
この場合は商品やサービスを検索して指名買いしていますので、ネット通販でリピートしやすいメリットもあります。
ただし商品やサービスはリピートしやすいのですが、購入した店を何度もリピートするとは限らないことがデメリットです。
なぜならネットショップはリアルの実店舗と比べ圧倒的に比較検討しやすいからです。
そのために型番が分かる商品などの指名買いされる場合は価格競争やサービス合戦になりやすく、そこに打ち勝たないとリピートされにくい環境になります。
また最初から新規でネット通販にて購入し、そのままリピートする人も出てきました。
この場合、ネットで購入するという自発的な購買行動を起こしているため、リピートにおいても自発的な購買行動を起こしやすいのがデメリットです。
つまり企業側からプッシュしない限り、お客様はリピートへの購買行動を起こしにくいのです。
―「リピート対策」の重要性についての考えや想いをお聞かせください。
横田 秀珠氏:
一般的に新規のお客様を獲得するのに掛かるコストは、既存のお客様にリピートして買ってもらうコストの6倍も掛かると言われています。
よく調べてみると、この数字はインターネットが登場する前に算出された考え方のようです。
インターネットが登場して、お客様に2度め3度めで買ってもらうのにコストが掛からなくなってきています。
例えばハガキを出すには52円の費用が掛かりますし、郵便を送るなら82円、ダイレクトメールを送るなら数百円のお金が掛かります。
ところがインターネットを使った場合、例えばメールマガジンを送るのに費用は掛かりません。
いま流行のTwitterやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディア(SNS)でお客様と繋がって交流したり、ブログでお客様に商品をアピールしたりしてもお金は掛かりません。
最近では新規のお客様を獲得するのに掛かるコストは、既存のお客様にリピートして買ってもらうコストの10倍も掛かると言われるほどです。
ネット通販は新規顧客を獲得する仕組みさえ作れば、ネット通販市場が拡大しているので売上を順調に伸ばしていくことができます。
その為にリピートの重要性に気づいていない企業が多いのも事実です。
リアル店舗よりも始めからメールアドレスの個人情報を取得しているネット通販の企業は、リピート対策へのコストが掛からないので、もっと効率的に売上を伸ばしファンを増やしていく手法を学んで欲しいと思っています。
―今回のご講演では、たくさんの事例をご教授いただきましたが、今から「リピート対策」をスタートしようとする会員様に、まず、最優先ですべきことだと思うことをお聞かせください。
横田 秀珠氏:
今回の講演ではリピートする仕組み10のカンを解説しました。
ネット通販されている商品やサービス、事業形態により最優先すべき具体的な施策は異なります。
もっとも大切なのは色々なリピートしている事例を見つけた時に10のカンへ落とし込むことが出来るようになり、「これは◯◯型」「それは△△型」と言えるようになってこそ、血となり肉となれます。
リピート対策について施策を考える際に体へ染み付いていないノウハウから新しいアイデアを生まれてきません。
よく「リピートしてくれない」と嘆いている企業さんが多いですが、その多くは「顧客がリピートしてくれないのは、そもそも企業がリピート対策する施策をリピートし続けていない」に尽きます。
施策を継続できない企業から、継続してくれる顧客は生まれません。
「継続は力なり」です。
リピート対策のアイデアが決まったら、徹底的に継続してください。
―横田様が考えるイーコマース事業の今後について、ぜひお聞かせください。
横田 秀珠氏:
インターネットが生まれて20数年になりましたが、イーコマース市場は、まだまだ拡大していきます。
ただ注意すべき点は、生まれた時からインターネットがある人や、物心ついた時からスマホを触ってきた人が、購買行動の中心になりつつあります。
この世代にとってイーコマースという概念がなく、ネットとリアルの境目がありません。
新しいネット世代の感性をいち早く察知してイーコマース事業に活かして欲しいと思います。
またイーコマースにおいて、よりリアルらしさを出すことが成功の近道だと思います。
人工知能やVR(仮想現実)、Bitcoinのような仮想通貨など、技術の進化に対応していくことは勿論ですが、よりアナログで心の通った温かい接客ができるネット通販の企業が生き残っていくと思います。
―当イーコマース事業協会は「売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換を通じて、電子商取引を含む健全なる情報化を社会に普及させることを目的とする」団体でありますが、ご講演を終了してみてのご感想や、定例会の印象などお聞かせいただけると幸いです。
横田 秀珠氏:
今までに数百の団体で講演してきましたが、イーコマース事業協会さまほどの活気を感じた団体は初めてです。
講演が始まる前から情報交換やネットショップの店長同士が交流する姿も活発でした。
また講演中も必死にメモを取り、講演後も多くの質問を頂きました。ありがとうございます。
ネットショップは孤独で、パソコンの前で悶々と悩みを抱えつつ作業しがちです。
このようなリアルで出会って交流し情報交換し、一緒に頑張っていける仲間がいるイーコマース事業協会は素晴らしいと思います。
今後もますます多くの方が参加してイーコマースの発展に貢献してもらえることを期待しています。
○講演タイトル
ネットでも!リアル店舗でも使える!お客様がリピートする凄い秘訣

○講師プロフィール
イーンスパイア株式会社 代表取締役
横田 秀珠 氏

1971年広島市生まれ。大学卒業後、教育関係の出版社で営業を10年経験。
その後、新潟に生活の拠点を移し、地元のIT企業に就職する。
この会社でさらに3年間、営業やコンサルタントとしての経験を積む。
2007年、ITコンサルタント会社としてイーンスパイア株式会社を設立。ネットビジネスの指導や講演を行う。

1994年~2004年 地元の国語教育図書の尚文出版株式会社 入社
卒業後、父親が経営する教育書出版の会社に、営業社員として就職。
東京営業所勤務となり、東日本エリアの学校に営業回りする日々を5年間送る。
その後、仙台営業所の立ち上げを任される等、同社で着実に実績を重ねる。
仙台営業所所長時代の2002年に結婚。
その2年後、妻の出身地である新潟県に落ち着くことに決め、家業は父と兄に任せて会社を退職。

2004年~2007年
新潟のIT企業入社
新潟に転居後、地元を拠点とするIT企業に就職。
営業スタッフとして勤務しながら、「数字」に強いもともとの資質が反応し、ごく自然に技術的な面での知識も増える。
その結果、しだいに営業の職域を超え、社内で「コンサルタント」という立ち位置にシフトしていく。

2007年~2009年
ネットビジネスのコンサルティング会社、イーンスパイア株式会社設立
同社主催による「ITセミナー」の立ち上げに関わるだけでなく、セミナーの講師を命じられた際、その経験がきっかけとなって、自分の中に「人に教えるのが好き」な面があることに気づく。
さらに、コンサルタントとしてより「中立」な立場で活動したいということもあり、同社を退職。自分の会社、イーンスパイア(株)を設立して、本格的にコンサルタントとしての活動をスタートする。

2008年~現在
新潟商工会議所のエキスパートバンク、地域力連携拠点事業の専門家としても活躍中
出版社の営業マン時代を通じて培った、豊富なビジネス経験を元手に、「バーチャル」の領域に留まらず、地に足のついたITコンサルティングが信条。
「第二の故郷」である新潟の商工会議所より専門家としての意見を求められる等、地元からの信頼も厚い。