限会社ドス・ティグレス
小山 陽子 様 

2008年11月定例会でご講演をいただきました、 有限会社ドス・ティグレス 小山 陽子氏をお招きして「PPC広告を成功させるための方法」に ついてお話をお伺いしました。 定例会の詳細はこちら


有限会社ドス・ティグレス 小山 陽子 様 

―PPC広告とはどのようなものでしょうか。
小山 陽子 氏:
検索キーワードという具体的な目的(ニーズ)が判別できる材料を元に、最もニーズに近い広告を情報の一種として表示する検索サービスです。検索エンジンを使う方は、今まさに具体的な情報を探し求めておられる方です。従来のバナー広告では「不特定多数の人にいかにたくさん見てもらうか」が論点になるのに対し、PPC広告ならば本当にその情報を必要としている方の目の前に表示されますので、広告成果が生じる確率がぐんと高まります。ですから、より無駄のないコストで広告が行えます。
―ヤフーのオーバーチュアとグーグルのアドワーズでは、どのような違いがあるのでしょうか。
小山 陽子 氏:
日本の検索エンジン利用シーンにおいて、圧倒的なシェアを誇っているのはヤフーですが、逆にインターネット関連の職業に従事している方や探し物のうまさを自負しておられるような方はGoogleを使う傾向にあると思います。取り扱う商材によって狙うターゲットが違うのが普通ですから、どちらにより力を注ぐべきか判断のしどころでしょう。また、各種情報サイトに表示されるコンテンツ広告については、圧倒的にアドセンス=アドワーズがシェアをとっていますので、クチコミ情報にそっと歩み寄るような広告はアドワーズで出稿すべきだと思います。また、モバイルアドワーズにはあっけないほど簡単に出稿ができるようになっていますので、モバイル市場を狙う方は一刻も早くアドワーズに取り組まれるべきだと思います。
―PPC広告では広告文面が大切なようですが、どこがポイントでしょうか。
小山 陽子 氏:
先ほど申し上げた通り、PPC広告は検索結果を補足するために表示される「情報」ですから、本当に欲しかった情報と広告文面が乖離している場合は、さっぱり反応を得られなくなります。例えば、「イヤリング」と検索したのに広告タイトルに「指輪」と書かれていたとしたら、その広告はクリックされるものでしょうか?「イヤリング」で検索をされた方には「イヤリング・・・」と書かれた広告を、「指輪」で検索された方には「指輪・・・」と書かれた広告を出し分ける必要があるでしょう。ですが、多くの出稿者がこのような広告文面の出しわけを意識せずに、あらゆるキーワードをいっしょくたに管理しているのが実態です。
―広告の表示順位はどこを狙うべきでしょうか。
小山 陽子 氏:
キーワードによって入札額の相場が違いますので、そのつど自店の月間予算と相談しながら挑むべきですが、最重要キーワードについてはやはり1~4位の枠内に表示するのがベストです。ただし、ニーズがより明確な複合語キーワードに関しては、5位以下の右欄に出ている状況でも十分通用するかと思います。個人的には、ヤフーだと右上にも下にも出る5位の位置はお勧めです。
―広告のクリック率を高めるとどのようなメリットがあるのでしょう。
小山 陽子 氏:
クリック率が高いと品質インデックス(品質スコア)が上昇します。オーバーチュア・アドワーズとも、クリックして初めてコストを請求できるサービスですので、いい位置にはよりクリックされやすい広告を出現させたいのです。ですからクリック率が高く入札単価が高い広告をより目立つ位置に表示しようという機能が働きます。同じキーワードに同じ入札額で出稿している中でも、反応のいい広告文面が書かれていると有利な位置に立てるということになります。
―広告から送客されるようになったら、次はどのようなことに気をつけるべきでしょうか。
小山 陽子 氏:
まず「クリック率の改善」。広告文面をあれこれ試しながら、より反応のいい広告文面へと練り上げていくことが必要です。続いて「コンバージョン率の向上」「コンバージョンコストの引き下げ」を目指しましょう。やみくもにクリック率を上げればいいというわけではなく、コンバージョン率は無駄なキーワードへの露出によって足をひっぱられますので、必ずアクセスログを確認しながら「対象外キーワード」をおっかけで登録していってください。クリックされてもその先にニーズにそぐわないページがリンクされていたら、お客様はがっかりして帰ってしまいます。あらかじめ広告文面に「この先にはこういったサービスについて説明しています」とニーズとリンク先との一致が判断できる内容がしっかり書かれていれば、お客様はクリックされないものです。そうすることで無駄なコストも抑えられます。GoogleAnalyticsでいうところの「直帰率」をチェックしていただければ、お客さまの「ガッカリ度」が判断しやすいかと思います。それにはページの出来も関係してきますので、スクロールしなくても一発でサービス内容を判別してもらえるようになっているかを検証してください。
―本日はありがとうございました。最後に、お好きな言葉、座右の銘を出来れば理由もつけて教えていただけますか?
小山 陽子 氏:
いろいろあるのですが、強いて言えば「トライ&エラー」でしょうか。オーバーチュア・アドワーズとも、出稿者がじかに数値を見ながらいろいろ試行錯誤できるツールです。「失敗した」「わからない」「まちがっている」とすぐにあきらめるのではなく、少しずつ慎重に試すことで粘り強く成果を改善していってください。悩んだら、まず自分のニーズで探しものしてみるとヒントが得られるでしょう。周囲の人にお願いして、お客様の立場で出稿方針をアドバイスしてもらうのもよいでしょう。まず何はともあれ「トライ」しながら、失敗経験を貯めていくことが重要だと感じています。
○講演タイトル
『PPC広告』

■プロフィール
986-1990 ソフトウェアパッケージ開発会社
1996-2000 個人事業主としてDTP業務およびWebサイト製作業
2000-    有限会社ドス・ティグレス設立
2008-    大阪市立大学創造都市研究科修士課程(現在一回生)
・大阪商工会議所「ECセミナー」(1999年)コーディネーター
・大阪産業創造館「あきない・えーど」
第1期サポートメンバー(ネットビジネス担当)
・ハンコヤドットコム、ナチュラム、ブルーミングスケープ、 宝塚アン、もぐもぐ共和国 他 プロデュース ・「免許皆伝!Googleアドワーズ道場」(2003年)
「オーバーチュアスポンサードサーチ成功マニュアル」
「Googleアドワーズ成功マニュアル」(2006年)
「ドロップシッピングでお店をはじめよう」(2007年)他 刊行

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