写真電気工業株式会社
伊藤 正仁様

2009年1月定例会でご講演をいただきました、写真電気工業株式会社 取締役 伊藤 正仁 氏にお話をお伺いしました。定例会の詳細はこちら

写真電気工業株式会社 取締役 伊藤 正仁様

―なぜネット通販事業を始めようと思われたのですか?
伊藤 正仁氏:
狂牛病が世間を騒がせたときで、取引先の倒産や牛関連の商品の注文キャンセルが相次ぎ、自社での販売体制の強化を図るため、ネット通販を始めました。 
伊藤 正仁氏:
■たった2秒で勝負が決まってしまうという現実。

「ビジュアルキャッチ」
「ベネフィットフォト」
「スペックフォト」


今回の、講座では、ネットショップに必要な、この三つの写真についてお話させていただきました。その中でも、ページのイチバン上で使う、「ビジュアルキャッチ」は、ネットショップが増えてくるほどに、その重要性が高まってくると言えます。

検索など、何らかのルートからページを開いて、そのページに興味を持って下にスクロールしていくか、あるいは、興味を持たずにブラウザの「戻る」ボタンを押してしまうか、その判断時間は、2秒程度と言われている現実を、もう一度、真剣に考えなくてはならないと思っています。 そのためには、ファーストビューで表示される写真のあり方を、根本から見直さなくてはなりません。単に、商品が写っているだけなんて論外で、ただキレイなだけの写真にも興味を持ってもらうだけの力は宿りません。

では、どうするか。基本に立ち返って、その商品の最も魅力となるセールスポイントを、しっかりとあぶり出し、それに基づいたキャッチコピーを考え、そして、そのキャッチコピーと補完し合う関係の「ビジュアル」を作り上げなくてはならないと思います。
伊藤 正仁氏:
■スピード!

スピード。

あらためて言うまでもないくらに、ネットショップ運営において、これまで以上に重要な要素になってきています。となると、いくら重要な写真だからと言って、ひとつの商品写真に、ダラダラと時間を掛けているわけにはいきません。では、如何にして、撮影の作業スピードを上げるか。そのためには、どんな写真にしようとしているのかを可能な限り具体的にイメージしておくことが必要となります。

どんな写真にすべきかが、撮影前からイメージできていることで、標準以上のクオリティーの写真でも、ほんの数分で撮影可能であることは、講座の中で実感していただけたことと思います。

背景はどうするのか、商品のどこ(何)を見せる必要があるのか、そして最終的にキャッチコピーを入れる場所等も含めて、仕上がりのイメージをどれだけ具体的に描き出せているかが、スピードアップのための最大の要因なのです。講座に参加された方は、このシルバーリングの写真が、画像加工を含めても、トータルで10分程度しか掛かっていないであろうことを想像してもらえると思います。
伊藤 正仁氏:
■撮りはじめる前に「考える」。 これしかない!
たった2秒で興味を持ってもらうビジュアルキャッチを、スピードをもって撮る。
そのためには、撮影作業に入る前に、どれだけ考えているかにかかっています。

その商品の、「何」を「どんなふうに」、"見せなくてはならない" か。見せたいとか、こんな感じがいいかな、なんていうアバウトなあり方ではなく、「どう"見せなくてはならない"か」です。そのためには、「その商品の何を伝えるべきなのか」これをあぶり出すことに尽きると思います。考えてみれば当たり前のこと、そう、商品を販売するための根本の部分です。ところが、現実には、それがおろそかになってしまっていないでしょうか。

「いったい何が伝われば、わざわざインターネットで買ってもらえるのか」

ここが明確になっていることが、絶対条件とさえ言えるでしょう。ここが明確になっていてこそ、あるべきキャッチコピーを作ることができ、そのキャッチコピーと補完関係にあるビジュアルキャッチが具体的にイメージでき、撮影作業も、明確なイメージを持って行なうことができ、短時間で、より効果的なビジュアルキャッチを生み出すことができると言えるのではないでしょうか。撮影技術や撮影道具も大切ですが、何よりもまず、「何を伝えなくてはならないのか」これを徹底して考えることこそ、撮影作業の前に、やっておかなくてはならないことであるはずだと思います。
伊藤 正仁氏:
■あとは、「慣れ」と技術の積み重ね。

「いったい何が伝われば、わざわざインターネットで買ってもらえるのか」

これさえ見えたなら、写真の撮影なんて、「慣れ」だと思っています。ビジュアルキャッチとして効果的な、人物を絡めた画像ですらも、どれほど簡単に撮影できるかを、今回の講座で、十分に実感してもらえたのではないでしょうか。特に、撮影自体の所要時間は、驚くほど短くすることが可能です。

幾つかのポイントを知って、慣れることで、、人物を使った撮影は、想像を超えるスピードで実践可能となることも知ってもらえたと思います。人物を使うことの最大のメリットは、言うまでもなく「興味を引きやすい」ということですから、ビジュアルキャッチとしても、最適なあり方のひとつと言えます。贈答需要を狙った場合には、人物を使ったビジュアルキャッチが大きな効果をもたらすことも期待できます。



例えば、恋人にプレゼントをしようと考える男性は、いったい何に「お金」を支払おうとするのか。それは、決してモノではなく、プレゼントを贈る、恋人の笑顔であるはずです。であるなら、ページのイチバン上に来るビジュアルキャッチは、プレゼントを贈られた女性の笑顔であるべきという、明確な答えが見えてきます。そんなふうに、「お金」を支払うお客様は、「何」に対しての価値を欲しているのか、ここさえ見えているなら、写真撮影ごときは、さっさと片付けられる作業のひとつとなり得るのです。

もし、どうしても自分で撮影できなければ、フリー素材や外注であったとしても、「どういう写真であるべきか」さえがわかっていれば、大きな失敗をせずにすむとも言えるでしょう。過去に、外注などで失敗された経験があるとするなら、おそらく、依頼のあり方が明確でなかったことが最大の要因ではないでしょうか。

確信を持って言い切ります。

商品写真撮影技術は「慣れ」です。

ただし、「どんな写真であるべきか」、その答えを出せるのは、販売者自身であり、誰も教えてはくれません。その回答を、誰かに頼っている限り、効果的な写真を撮ることはもちろん、撮影作業を短時間にすることすら難しいでしょう。
伊藤 正仁氏:
■今のチャンスをモノにしましょう!

シャッターチャンスのことではありません。(笑)

定例会の開催挨拶で、津田会長が言われていたように、今はチャンスの時と考えられるとわたしも思います。他社を圧倒するスピードを持って前進するには、様々な要因から、ブレーキを踏む回数が増える今だからこそ、チャンスと言えるのではないでしょうか。今回、わたしが、写真を通してお伝えしたかったことも、根底は同様と思っています。今こそ、考えるべきことを考えて、着実に実践を重ねるほどに、結果として他社を圧するスピードをモノにできるのではないかと考えます。表面的なテクニック論ではなく、本質的に必要なことに資本と労力を注いでこそ、スピードにつながると考えます。少なくとも、写真のあり方においては、考えるべきことが考えられていたなら、これまで以上のスピードで実践可能であることは、想像していただけるのではないかと思います。


皆さんと同様に、わたし自身もイーコマース事業社の一社です。可能な限り協力させていただきますので、ぜひ一緒に勉強して、みんなで、素晴らしい2009年にしましょう!
○講演タイトル
デジカメ用撮影ライトのSD 伊藤正仁氏をお招きして、「ビジュアルキャッチ」のあり方、撮り方、応用対策など

■プロフィール
写真電気工業株式会社 取締役
自身も、WEBショップを運営し、8年となる。
アマゾン総合ランキング第3位の実績を持つ、EC向け商品撮影ノウハウ本「カメラマンになるな、演出家になれ!」の著者でもあり、フジテレビ「ベリーベリーサタデー」に出演し、タレントの「森三中」にデジカメ撮影を指導するなどの経歴もある。 さらに、年間約20~30の講座の依頼を受け、それを5年間に渡って続けている、Eコマースにおける商品撮影ノウハウ伝授のスペシャリスト。