タムラカイ様

2019年11月定例会にて、「つながるワークショップ」をテーマにお話頂いた、タムラカイ氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。
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タムラカイ様

―紙ベースの資料の場合、落書きやメモをよくしていましたが、最近では会議の資料もデータをもとに行うことが増え、紙ベースでの資料が減ってまいりました。ペーパレスに関するご意見をお聞かせください。
タムラカイ氏:
資源やコスト、業務効率の面から考えて、無駄な紙の資料をなくすのはとてもいいことだと思います。
では、紙に描いて考えることが無駄かというと、僕自身はむしろ意味のあることだと考えています。

そういう意味で「ペーパーレス」が「この世から紙をなくす」という意味ではないと一緒で、大切なのは「なんのためにするのか、あるいはしないのか」を考えることではないでしょうか?
―好きなことを仕事にする、という考え方が流行になっている気がしますが、会社員をしながらそれをするコツはなんだと考えられますでしょうか。
タムラカイ氏:
この質問を見て、むしろ「会社員をしていたら好きなことを仕事にできない」という前提があるのではないかなと感じました。
同時にこの場合の「好き」とは「自分勝手」でなく、「自分が得意なこと/難なくできること」だと考えてみるとどうでしょうか?
自分の得意なことを使って利益を上げることができれば、それは会社員であろうとなかろうと「好きなことを仕事にする」になると思います。
そうすると「コツ」ではなく、必須条件として「それになぜ意味があるか」を論理的に説明できることが重要になりますし、自分の場合は説得力を上げる「コツ」として、机上の空論と言われないために「事前に目に見える成果を用意しておく」というのは有効でした。
―絵を描くこと自体は嫌いではないのですが、上手く描けません。絵がうまい人と下手な人の違いはどこから来るのでしょうか。
タムラカイ氏:
そもそも「絵が上手い」とはどういうことなのでしょうか?
「絵が下手」だったら描いてはいけないのでしょうか?
そうではないと思います。
もし「絵が上手い」を「お手本とそっくりに描くこと」「本物っぽく描くこと」だとしたら、そのために必要なのは、楽器の演奏と同じで練習しかありません。
この場合「絵を描くのが嫌い」でも「絵が上手い」という状態は成立します。
ただ、小さい子供がそうであるように「絵を描くのが好き」な人が描いた絵には、なんとも言えない魅力があります。
そう考えると、大切なのは絵を描くことに限らず、「好きであること」「楽しいと思うこと」ではないでしょうか?
―当イーコマース事業協会は「売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換を通じて、電子商取引を含む健全なる情報化を社会に普及させることを目的とする」団体でありますが、ご講演を終了してみてのご感想や、定例会の印象などお聞かせいただけると幸いです。
タムラカイ氏:
電子商取引であろうとなかろうと、お商売をする上で大切なのは、お客様との、お取引先との、あるいは従業員のみなさんとの関係性だと思います。
そういう意味で、今回の講演は前半後半ともに、そこにフォーカスした内容だったと考えています。
特にイーコマースなどの先端分野では、今日すぐに効果の上がる小手先のテクニックが明日には使えなくこともあります。
たとえ一見遠回りにだと感じても、常に「本質は何か」と考えることを大切にしてください。
○講演タイトル
「つながるワークショップ」

○講師プロフィール
タムラカイ様

富士通デザイン株式会社に勤務するかたわら、2014年より個人活動として「描いて考えて伝えあうためのラクガキ講座」を開始、企業の人材研修や各種イベントでの登壇など活動の幅を広げる。
「世界の創造性のレベルを1つあげる」をミッションとしてオリジナルのツールやメソッドを開発・活用。
ワークショップや共創の場の設計およびファシリテーション、人材育成、組織マネジメントなど、従来の枠を超えた広義のデザインを専門とする。
自らが中心となって結成した「グラフィックカタリスト・ビオトープ」では、グラフィックを活用した場のデザインを行い、新しい働き方・生き方の実践の場を作り続けている。
著書に「アイデアがどんどん生まれる ラクガキノート術 実践編」


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