株式会社リターンズ
後藤 鉄兵氏

2024年9月定例会にて「しくじりEC運用からV字回復。徹底的な運用自動化による業績改善の方法」と題して、株式会社リターンズ 後藤 鉄兵氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。
定例会の詳細はこちら

講師: 株式会社リターンズ 後藤 鉄兵氏

―物流コストの増加がEC事業の利益率を圧迫することが予想されていますが、Tshirt.stでは創業からの20年間で物流環境に具体的にどのような変化を感じておられますか?
後藤 鉄兵氏:
大手モールが上手く値上げを実行され、競争はより激化しながらとにかく安く販売しがちな環境に向かっています。送料をはじめとした運用コストの削減は急務だとより実感しています。
―Tshirt.stでは基幹システムの刷新によってコスト構造の改善に取り組まれたとのことですが、大規模な投資が難しいような場合、ほかにどのような施策が物流コストの削減につながるでしょうか?
後藤 鉄兵氏:
多くの事業者でゆうパケットなどメール便サイズに入る荷物を適切に見極め、システムや運用ルールで判定する事で運賃を下げるべきです。
noteにも書いているので良かったら見てみてください。


―コスト改善を行うには日々の地味だが確実なオペレーション改善を行うことが大切とのことですが、オペレーション改善のアイデアの収集はどのような方法で行うのがよいでしょうか?
後藤 鉄兵氏:
運用現場に入りヒアリングしながら稼働時間を測定するべきです。平均時給などを元に、作業の単価を全て算出していきましょう。そうするときっと削減したい作業が見つかるはずです。
―キャンセルの自動化を進めることで、オペレーションの最適化、ユーザ体験の向上の両面で効果があるということで「リターンズ」というツールをリリースされておられますが、売上・利益それぞれの観点でとくに効果的であったという事例があればぜひ教えてください。
後藤 鉄兵氏:
現在キャンセルの自動化で6割から多いと7割のユーザーが再注文に至る事が確認出来ています。弊社では月次でも150~250万円ほどの売上が再注文によって導きだされています。

ロボット対応による人件費の削減効果も月次で10万円前後が発生いており、これは利益直結の数字です。
○講演タイトル
「しくじりEC運用からV字回復。徹底的な運用自動化による業績改善の方法」

○講師プロフィール
株式会社リターンズ
代表取締役
後藤 鉄兵氏

1999年からECに関わり2002年にはD2C自社製造アパレルブランドの販売など、日本のEC黎明期から20年以上EC運営を続ける。Shopifyはまだ日本語版も日本法人も存在しない頃から独自のローカライズで運用。現在は年間140万枚30万件という大規模ECの運用を、物流やキャンセルの自動化などバックエンドオペレーションの改善によってコスト削減を行い収益性の改善やシステム開発を得意とする。


EBS定例会参加表明

イーコマース事業協会ご入会お申し込み