株式会社サーフボード
田嶋 節和様 

2007年9月定例会でご講演をいただきました、 株式会社サーフボード 代表取締役 田嶋節和氏。 WEB制作実績500社以上の現場から得たノウハウを講演いただきました。特に、自社ドメインショップのつかみどころの無さに苦悩するWEBマスターへのヒントをわかりやすく解説いただきました。 定例会の詳細はこちら


株式会社サーフボード 代表取締役 田嶋 節和 様 

―なぜ? モール店舗で、売上数千万や億を突破するようなお店でさえも独自ドメインの店舗を構築した時に売上が100万円にも満たない、担当者 一人さえ配置できないのでしょうか?
田嶋 節和 氏:
最近の経営者の方は「お金で時間を買う」傾向が強いように思います。そのため、短期間に売上を上げるなどの成果を出し続けることを強く意識しているようです。昔から、短期に売上が上がるものは、瞬く間に売上が落ちる。時間をかけて売上が上がったものは、すぐには売上は落ちない。

さて、モール出店と独自ドメイン店を、実店舗に置き換えて見た場合モール出店は、郊外の大型ショッピングセンターへ共同出店しているのに似ていますね。また、独自ドメイン店は、郊外に独立して一軒の店舗を構えていることと想定してください。

ショッピングセンターは、ポイントや電子マネーなども決済できる最新のレジスターを事前に用意してくれます。さらに、毎週末に向けて、集客をするためのイベント告知をTVや新聞チラシでジャンジャン行ってくれます。そうすると、テナントのお店は、店の前を通るお客様に大きな声で呼びかけたり、ワゴンセールをしたり、POPで安売りをアピールすることだけで、売上を稼げるわけです。

一方、郊外に店舗を構えるお店は、レジスターの選定方法から勉強を始めて、自前で「集客」を考えなければなりませんから、季節ごとのイベントを考えたり、リピータにDMを出したり、電話をかけたりと、手間隙がかかります。しかし、そうすることで「商売の基本」をしっかり身に着けることができます。

即ち、独自ドメイン店でしっかり儲けるようになるまでには、時間がかかるということです。中長期的な視野で商売を考えている、考えることができる経営者は、独自ドメイン店で必ず成功します。
―企自社サイトでは、モールとのスタンスとして短期的でなく長期的な取組みが必要という事ですが おおむねどれくらいの時間がかかると結果として見えてくるのでしょうか?
田嶋 節和 氏:
結論から言いますと、一年半(18ヶ月)を過ぎたころから、確実に右肩上がりを実感できます。商売には、季節的な需要の変化があります。例えば、味噌は11月から3月にかけて売れますが、熱い6月から9月にかけては消費が落ち込み、売上はガタンと落ちます。消費需要が高まる11月以降にどれだけ新規顧客を取り込み、リピータを育成するかが、1年以上商売をすることで見えてきます。

さらに、商売は「ムラ」を極力減らすことが大事です。1年を通してコンスタントに売上が上がるのが、最善です。夏の暑い時期に味噌の需要が落ちても、他の商品を調達して売上を確保するとか、11月以降の出荷の事前予約注文サービスを用意するとかの工夫が生まれてきます。

ネットショップの場合、特に検索エンジンで上位に表示されることで「集客」が比例してアップしますが、この検索エンジン対策を行って、成果が出始めるのも半年、1年かかります。短期的な効果を狙うのでしたらオーバチュアーなどのキーワード広告を利用すればよいのですが、その場合でも、費用対効果を最大にする(新規顧客獲得コストを最小にする)には、半年以上の経験が必要です。
―本日はありがとうございました。最後に、お好きな言葉。座右の銘を出来れば理由もつけて教えていただけますか?
田嶋 節和 氏:
私の作った造語ですが、「創知即行」 創造する、知恵を出す、即時行動を起す。という言葉を大事にしています。自分で作った言葉ですから忘れません。Web2.0時代の新しいマーケットは何かを創造し、今お客様が売れていないネットショップを売れるようにするためにはどうすべきか、四六時中頭に汗をかきながら知恵を出し、他の人より少しでも早い時点で行動に移すことを行動規範にしています。
○講演タイトル
『独自ドメイン店では、なぜ「鳴かず飛ばず」が続くのか』

■プロフィール
1953年生まれ
ソフトウェアー開発会社の事業部門長を務めた後、1996年サーフボード創業 (株)サーフボードはWeb制作で、全国に500社の実績があり、特にECサイトの制作に特化しています。 現在、アスキービジネス"EC応援隊"コラムニスト ヤマトシステム開発ネットショップ支援セミナー専属講師

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