千趣会マーケティングサポート株式会社
中山 悦二郎様

エビスの4月特別例会にて、『通販ビジネスのキモ~クロスメディア・運営管理、そして失敗リスクを下げる13ポイント~ 緊急追補「災害時における顧客対応法」』をテーマにお話頂いた、千趣会マーケティングサポート株式会社 代表取締役 中山 悦二郎氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。 定例会の詳細はこちら

千趣会マーケティングサポート株式会社 代表取締役 中山 悦二郎様
―本日はご講演ありがとうございました。
中山様は千趣会マーケティングサポート株式会社の代表取締役とのことですが、その千趣会マーケティングサポート様や中山様ご本人の業務内容について、お聞かせいただけますでしょうか?
中山 悦二郎氏:
はい、わたしは千趣会の法人向けサービス(通販サポートビジネス)のうち、コンサルティング部分を受け持っています。
具体的には、事業立ち上げ支援・通販事業診断・通販業務運営管理・システム化・要件整理(処理系・情報系)・データマイニング等のサービスメニューがあります。
詳しくは、千趣会法人事業部HPをご覧ください。
http://www.senshukai.co.jp/main/top/houjin_index.htm
―ありがとうございます。
ではご講演内容に関して質問させていただきます。ご講演の中でターゲットやペルソナ(自社製品を購入される仮想の顧客情報)を詳細に設定することが重要とありました。これについては私たちも他の多くの講師から伺っており、当会の会員は重要性を認識していると思います。
ただ、初めてそのような話を聞いた方にとっては「大手の千趣会だから言えるんだ。小規模な会社はターゲットを広くしないとやっていけない」と思ってしまう方もいるかもしれません。
今一度ターゲットやペルソナの重要性についてお教えいただけますでしょうか?
中山 悦二郎氏:
ターゲティングは商品(サービス)の訴求点を鮮明にするために行うもので、より具体的な顧客イメージ(ペルソナ)を作成する必要があります。
大手企業は全方位戦略(マスプロモーション・フルライン品揃え・価格訴求等)が取れるので、中小規模の事業者は経営資源をセグメント市場に集中投下することで対抗せざるを得ません。よって、ターゲティングは規模が小さいほど必須の戦略なのです。
―規模が小さい店舗ほど、ターゲットを絞って細かいペルソナを設定することが大事なんですね。ありがとうございます。
さて、ご講演では「クロスメディア」として、複数のメディアを有効的に利用するという話がありました。正直私は紙媒体など他のメディアに出すのは予算が…と思っていたのですが、講演を聞いて良い意味で裏切られたと思いました。
同様に中小ショップの方はクロスメディアに懐疑的な方が多いと思いますので、その点についてお話いただけますでしょうか?
中山 悦二郎氏:
通販ビジネスは顧客が継続利用してもらうことで収益構造が見えてきます。
中小ショップがリアル店舗や放送メディアを活用するには敷居が高いかも知れませんが、紙媒体なら数が少なくても工夫次第(手書き・手作り感等)でプッシュ効果が期待できます。
事実、EC専業が顧客リテンションのためにDM(ダイレクトメール)を活用しているケースがあります。
―何も新聞広告やチラシなどの大規模なことに限らず、手書きのはがきと言う手もあるんですよね。それがとても新鮮でした。
中山 悦二郎氏:
ただし、手書きが全て有効と言うわけではありません。例えば当社のような大規模な会社が手書きのDMを送っても「何をやっているんだ」とお叱りを受けるでしょう。
ご自身の状況に合った方法は考えてゆく必要があります。
―TPOに応じてどのようなメディアと連携するか考えないといけないということですね。ありがとうございました。
講演の最後の方におっしゃっていた「成功の法則はないが失敗の法則はある」と言うのが印象に残りました。これについてもお話いただけますでしょうか?
中山 悦二郎氏:
いつの世もビジネスは一部の勝ち組とあまたの敗者という構図になっています。
さらに、成功の法則はほとんど後付けで作られたものですが、これからの事業に適用してもうまくいくとは限りません。
ところが、失敗するパターンは似ているため、先達の経験則は参考になることが多い。失敗を自ら経験することも重要ですが、このスピード時代では、他社事例から学ぶことで成功への時間を短縮すると考えたほうがリスクは少ないです。
―確かに、私も他社の成功事例を真似てうまく行かず、後になって他社と自社の違いを考えてうまく行かなかった理由が理解できたことが何回かあります。
どうしても成功事例を見てしまいますが、それを改めないといけないと思いました。
最後に、中山様から見た今後の中小ネットショップの展望についてお聞かせいただけますでしょうか?
中山 悦二郎氏:
今後とも競争激化は避けられないでしょうから、中小ネットショップは顧客のマインドシェア向上に注力すべきです。生き延びていくためには、ひいき客との良好な関係をどう維持継続させていくかにかかっています。
消費者は経済合理性だけでなく、買いたいところから買うという行動もするのです。
―本日はありがとうございました。
○講演タイトル
『通販ビジネスのキモ~クロスメディア・運営管理、そして失敗リスクを下げる13ポイント~ 緊急追補「災害時における顧客対応法」』

○講師プロフィール
千趣会マーケティングサポート株式会社 代表取締役
中山 悦二郎(なかやま えつじろう)

1979年 (株)千趣会入社。

カタログ企画制作、仕入、マーケティング、営業企画、顧客管理、
システム企画、法人事業部等の部署を経て、2007年1月社内ベンチャー制度の適用により、通販専門のコンサルティング会社を設立。

利用部門にて情報系システムを提案して以来、DBMの活用・社内普及・教育およびCRMシステム化を担当し、2002年からはBtoB事業として、通販事業ソリューションビジネス(業務コンサル)に従事し、現在に至る。

<得意なテーマ>
クロスメディア戦略/データマイニング/CRM戦略
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