リトルムーンインターナショナル株式会社
文 美月様

エビスの11月定例会にて、「ソーシャル時代にあるべきEC戦略とは」をテーマにお話頂いた、リトルムーンインターナショナル株式会社 取締役副社長の文 美月氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。 定例会の詳細はこちら

リトルムーンインターナショナル株式会社 取締役副社長 文 美月様
―本日はありがとうございました。
ソーシャル時代にあるべきEC戦略とはという題材で、商材選びから、配送コスト、商品企画、開発、そして販売と全てにおいて無駄を省き、業務の効率化を上げるという姿勢はとても勉強になりました。
またCSRにも活動的で、現在はfacebookを積極的に取り込まれているという事で、更に進化し続けているリトルムーンの実態を大変興味深く拝聴させて頂きました。
早速質問ですが、お金をかけずに潜在顧客を集める方法として、お客様の記憶に残るサイトを心がけるという事を挙げておられましたが、その為には、“買わなくてもいいのでお客様の滞在時間を長くさせるページ作りが必要”というお話に納得させられました。
具体的にはどういった工夫をされていらっしゃいますか?
文 美月氏:
「ここに来ると何だかキレイになるヒントがありそう」と感じて頂ける工夫として、具体的には無料のヘアアレンジコンテンツを豊富に作っています。ヘアアクセサリー屋ですが、ヘアアレンジの情報を出す事で、おしゃれに興味のある方に検索して頂けたり興味を持って頂けたりします。
ただし、 「お客様がお探しのものをスムーズに探せる」事もサイトの大切な要素ですので、むやみに滞在時間が長ければいいという訳でもありません。
―ダイレクトに検索で来られたお客様だけでなく、フラッと立ち寄ったお客様に無料のヘアアレンジというコンテンツで、楽しさ・ワクワク感を提供しつつ、滞在時間を長くさせるという本来の目的もクリアしていてとても参考になります。
次の質問ですが、年々競争が激化していく中で売上が伸び悩んでいる店舗様も多くおられると思います。楽天ショップでは売上に直結するものとしては最近ではどのような取り組みをされていらっしゃいますか?
文 美月氏:
お急ぎの方には平日15時までのご注文で即日出荷、お急ぎでない方にはお取り置き(配送を保留にしてお買い物を同梱していく)を選択して頂き、メリハリのある配送体制を取っています。
最近はお届け後簡易に処分して頂ける梱包資材をオリジナルでデザインし、(共同購入から)メール便配送も開始しました。お客様のニーズに応じて迅速な対応でお応えし、満足度upに繋げています。
―お客様自身にお客様の要求を明確に店舗側に提示して頂き、店舗はその通りに実行する。
お客様自ら選択して頂ける訳ですから店舗側は訊ねる手間がなく、お客様は要求を実行して頂くので満足・安心と感じますね。また、メール便等で選択肢を増やす事も顧客満足度に繋がり、更にリピート客に繋がるという訳ですね。
次の質問ですが、他店にない強みを作る事として、オリジナル商品を開発し販売されておられるという事ですが、自社商品のブランディング力を高める工夫としてどのような事をされていらっしゃるのでしょうか?
いきなり商品を作ってみてもそれを販売するルートや、その商品の認知度、信用性の部分において、戦略がないと無駄な在庫で終ってしまうと思いますが、商品を開発する側としてその辺をどのようにして取り組まれていらっしゃるのでしょうか?
文 美月氏:
いきなり「お客様はこんなものを求めているはずだ」との見込で作ることはありません。あくまで見込みに過ぎないからです。投下資金が姿を変え在庫となったものには、作る無駄・保管する無駄・お金をかけて廃棄する無駄、というリスクがあります。
小さくテストを繰り返しながら反応を見て「お客様がお金を出して買って下さる」分を見極めつつ作ります。
小さくテストを行える事はEコマースの良さでもあります。弊社のオリジナル商品はほとんどがお客様のご意見から生まれており、改良を繰り返して今に至っています。
―なるほど。製品にはお客様のご意見を取り入れて、改良を重ねる事でより品質の良いものにして行き、またテスト販売を繰り返し、お客様の関心を常に調査する事で製造に掛かるリスクを最小限に抑えているという訳ですね。
最後の質問となりますが、世界を視野に入れておられるという事で今回facebookを取り込んでの戦略についてお話をお伺い致しましたが、facebookをはじめてみて、一番よかったと思うこと、また、こうすれば良かったなと思うことなどがございましたら、お聞かせ頂けますでしょうか?
文 美月氏:
一番良かったのは、世界の反応が見られる事、露出が高まり認知度が上がった事、CSRで大企業の協力を得られるきっかけがFBであった事などです。
失敗は、facebookページの名前を日本語と英語の併記にすべき所を日本語のみにしてしまった事です(FBページの名は、いいね100人以上で変更不可になる仕様)。
これから始められる方へ私が講演などで繰り返しお伝えしているのは、FBが全てを変えてくれるわけではなく、単なるツールに過ぎないという事です。 会社や商品、お店の強みをECで具現化していくのは容易な事ではありません。
それをせずしてFBに力を入れすぎる事は、本末転倒に近いと思います。私たちには一日24時間しかありません。プライオリティを常に考えながらうまくFBと付き合っていきたいものですね。
―facebookの可能性はまだまだ計り知れないものがあるようですね。
独自の強みを持ったお店や商品作りをし、基盤となるものの価値を上げて一方通行に終わらないようにfacebookを上手く活用して行けたら良いですね。
この度はお忙しい中どうもありがとうございました。
○講演タイトル
「ソーシャル時代にあるべきEC戦略とは」

○講師プロフィール
リトルムーンインターナショナル株式会社 取締役副社長
文 美月(ぶん みつき)

同志社大学経済学部を卒業後、日本生命で総合職として企業融資を担当する。
留学・結婚出産を経て、2001年ネット通販で起業。
2003年ヘアアクセサリーに商材を特化、ネット通販で初の発送保留サービス「お取り置き」を考案。
2006楽天市場shop of the yearジャンル大賞(ジュエリー・アクセサリー)、
2007楽天市場shop of the yearエリア賞受賞。
ヘアアクセ品揃え日本最大級のECサイトとなる。
WEB5店舗運営のほか、卸業や実店舗運営も行う。
2010年より大阪府プロジェクト「大阪通販道場」師範、大前研一氏学長のビジネス・ブレークスルー大学講師。また途上国への教育支援他、日本でユーズドヘアアクセを顧客から回収、途上国に送る仕組みを作る。
2011年2月よりfacebookページを開始、7ヶ月で9万人超の「いいね!」を世界から集め、facebookを活用した中小企業の海外展開例として注目され、SNS関連のメディア露出、講演も多数。

<得意なテーマ>
お金をかけずに潜在顧客を集める方法
オリジナル商品/自社のブランディング
1ページで億売る商品ページの作り方
「いいね!」を集める本質論
女性のキャリア形成、起業

<主たる講演先>
日経ネットマーケティングフォーラム
アドテック東京2011
ビジネス・ブレイクスルー大学
毎日エデュケーション
ソーシャルメディアサミットin関西
石川県産業創出支援機構
愛知県中小企業家同友会
兵庫県ニューメディア推進協議会
起業成功塾、他
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