荻野 拓久様

今回のテーマはYahoo!Shoppingで9年連続ベストストア受賞、楽天市場においても2年連続SOY受賞などのオーガニックサイバーストア。これまでの道のりと食品ECのキモについて。
2013年3月定例会でご講演をいただきました、 株式会社ドゥマン 荻野 拓久 氏にお話をお伺いしました。
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株式会社ドゥマン 取締役副社長
オーガニックサイバーストア運営責任者 荻野 拓久 様
―本日はお忙しい中、ご講演いただきましてありがとうございました。始まる前は90分の講演時間の長さを心配されてましたが、終わってみれば時間通りピッタリで終わるあたりはさすがですね。
荻野 拓久氏:
いやぁ本当に…たまたまです。
―さてそれでは本題に入らせていただきます。講演の中でもお話いただきましたが改めてお伺い致します。リアル事業の農業経営から、なぜネット通販事業を始めようと思われたのでしょうか?
荻野 拓久氏:
弊社の店舗名オーガニックサイバーストアの由来でもありますが、スタートは無農薬野菜を手掛ける会社でした。しかし当時一般の流通では認知度が低く、スーパーのバイヤーや青果店ですら、無農薬野菜について重要視されない状況でした。そんな中で無農薬野菜などに理解があり、ニーズのある消費者に流通を介さずダイレクトに届ける方法を模索していくなかで当時まだ未知数だったネット通販に販路を見出だしました。
― ネット通販を始められたのは1998年ということでしたね。今のようなカートのシステムもないネット黎明期から運営されてきて、さまざまな苦労がおありだったかと思いますが、ネット通販事業をここまで続けてこられた理由とは?
荻野 拓久氏:
当時はネット上に商品をUPして、FAXで注文をいただくという感じでしたね。売れないながらもなんとか試行錯誤しながら売り上げ拡大を図っていましたが、やはり2004年にヒットした「濃厚ミルクシュー」の存在が大きかったと思います。そのヒット商品が軸となり商品ラインナップのあり方や物流の仕組みまですべてが形作られていきました。長く続けてこられた理由は常に移り変わるニーズに商品・仕組みで対応していくことに必死だったからではないでしょうか?またそれは今も変わっていません。
― なるほど、2004年をきっかけにそれまでの在庫を持って自社で発送まで手掛けるストック型の仕事からフロー型ビジネスモデルへと移行されたということですが、改めてフロー型ビジネスのメリット、デメリット、またリスクについてお伺いしてもよろしいでしょうか 。
荻野 拓久氏:
フロー型の最大のメリットはやはり在庫リスクがない点。特に取り扱い商材が食品であるためどうしても在庫を持つと賞味期限の管理が必要となります。当然売れ行きが良くなければ賞味期限が切れ→廃棄というリスクがありますがその負担がないのは非常に大きいです。
また出荷業務自体をメーカーや産地などに委託するため、出荷に関わる人員、倉庫などを持つ必要がなくなります。その出荷作業をその商品を一番良く知る方々にお願いするわけですからより厳格な出荷前検品が可能となります。
逆にデメリットについてですが、以前はフロー型の最大のデメリットは「配送スピードの遅さ」にありましたが、現在のモデルでは委託冷凍倉庫からの出荷とメーカー、産地などからスポットでの対応も可能な出荷体制の双方を持っていますのでその部分は解消されています。現状のデメリットとしては、一般の流通と異なるモデルであるためある程度販売数が確保できないとメーカーさんやサプライヤーが離れていってしまいます。その意味からの「売らなければ!」というプレッシャーで胃が痛むことくらいでしょうか(笑)
―プレッシャーですか?それって見た目によらず真面目で誠実な荻野さんだからでしょうね(笑)でもメーカーさんと信頼関係が成り立たないと出来ないことですものね。
そういう背景もあってあれだけのアイテム数と多店舗運営ができるのでしょうね。
そういえば講演の中でページ製作は主に荻野さんを含め3人で行ってらっしゃるとお伺いしましたが、多店舗同時運営されている中でうまく運営する秘訣はございますか?また商品開発のアイデアの源はどのようなものですか?
荻野 拓久氏:
ひとくちに多店舗展開と言っても色々ありますが、まずはその店舗の業態に合ったシステムの存在が不可欠かと思います。オーガニックサイバーストアでは商品やイベントなどは極力全店共通での展開をする。しかし各モールごとの細かなチューニングも必要になりますので運営管理業務の作業軽減を前提として限られたリソースを極力「売る」という部分に割いていくことが大事かと思います。
商品開発のアイデア源は・・・当社はスイーツをはじめ食品がメインではありますので常に業界へのアンテナを伸ばしていますが、それこそ全く関係のないところなどからヒラメキが得られたりします。ですので特定されたアイデア源というのは申しあげられないですね。あえて言えばかなり広角度、広範囲対応のアンテナを持つというところでしょうか?
―確かにそうですね。常にアンテナを立てていないといけないと実感させられます。その辺りも荻野さんのアンテナは高性能なんでしょうね(笑)
またそんな荻野さんだからこそ、ヤフーショッピングで9年連続ベストストア受賞や楽天2年連続SOY受賞するなどし、今ではリピーターの確保と、口コミやメルマガでの新規来店など運営的には順風満帆かと感じますが、あえてお伺いします。
いままでの運営で「最大の失敗」と「それをどう乗り越えたか」を教えていただけますでしょうか?
荻野 拓久氏:
最大の・・・と言われるとひとつ挙げるのは難しいです。
商品開発にしても決して売れているものばかりではなくむしろヒット商品の後ろには売れずに終売となったものの方が圧倒的に多いですし。常に失敗・失敗・失敗・・・たまに成功といったサイクルを繰り返している感じがします。ただその失敗を教訓にしてリカバリーや再挑戦などが比較的容易にできるのがネット通販のよいところかと思います。
―失敗を失敗で終わらせずに、どんどん挑戦されていった結果が今のオーガニックサイバーストアを支えているということですね。
それでは最後にオーガニックサイバーストア様の目指す今後のイーコマース事業について、もしくは荻野様の考えるイーコマースの今後についてお話いただけますでしょうか。
荻野 拓久氏:
食を通じて日本中に笑顔を、そして美味しいモノを囲むことで得られるステキな時間を今後も提供していきたいです。
―講演のなかでもお話されていたコンセプト・カラーの確立のところですね。ファン作りの勉強になりました。
本日はインタビューを含め長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。講演を終えられて荻野様から見た当会の印象はいかがでしたか?
荻野 拓久氏:
まだ歴史の浅いECの世界でこれだけ長く活動されているだけあって非常に活気があり、参加されている方々の「熱」を感じることが出来ました。私自身も大いに刺激になりました。残念ながら今回は唐揚げにありつくことは叶いませんでした。
次回は必ず岡本さんにアテンドお願いしたいと思います(笑)
○講演タイトル
「想いを伝えるオンライングルメショッピング」

○講師プロフィール
株式会社ドゥマン 取締役副社長
オーガニックサイバーストア運営責任者 荻野 拓久 氏

1969年千葉県生まれ

各種企画営業職などを経て1999年新しいサービスのベンチャー企業立ち上げに参加。

同社営業本部長として従事の後2002年ドゥマン入社。
ECサイト「オーガニックサイバーストア」の運営責任者となる。

現役職は株式会社ドゥマン取締役副社長